シーズンオフに入ると、しばらく乗らない間に、通常やらないパーツの整備で、サスペンションや社外品キャブレーターのオーバーホールが多数入庫致します。
当店でも昨年のオフシーズンに入った辺りから徐々に春先に向けてその辺りの作業が頻繁に入りますが、久々にハマりこむ作業に当たりました。
今回はFCRキャブで頭を悩ます作業でした。
通常のキャブ作業、例えば、しばらく乗ってなくて、ガソリンが腐食したキャブの清掃作業や内部の消耗部品の交換や各部の調整や燃調のセッティングなどの作業は、当然自店で作業するんですが、どうしてもリペアパーツとして売られていない部分のパーツ交換が必要な場合は、キャブ専門の外注先へ作業依頼することもあります。
今回御依頼のFCRは使用された走行距離も多く、長年使用されている経緯もあった為、非売部分のOリングなどのパーツ交換の必要と判断し、外注にてオーバーホール作業+お客様の持ち込みの消耗部品の交換を依頼しました。
後日、外注先からの返却からの、納品されたキャブの各部の要所のチェックを済ませ、取付作業はオーナー自身で行う為、キャブ本体を返却し、組付いただきましたが、そこで不具合は発生しました。
オーバーホールを行うと、内部の構成パーツの流量の変化で、若干の燃調の手直しが必要になる事も、たま〜にありますが、今回の不具合は、回転落ち不良でスロットルが張り付く現象が発生。アイドリング調整も微妙に反応が鈍く、走行時にアクセルを閉じても、回転が落ちない異常事態。スロットルバルブの段付きも酷くない事は確認済みだったので、急遽確認作業で入庫しました。
長年大切に乗られているR1100 すでに30年物ですが大切に乗られてる事がわかる車両ですが、謎の異常事態の原因究明です。
点火とエンジンのコンプレッションを測定し、空燃費計とCoテスターと排気温度計を駆使して確認作業を進めるとアイドリング状態から1/4開度迄がとにかく異常に薄い症状でセオリー以上の濃い状態にセッティング変更しても薄い。
散々悩んで相談しわかった結果
犯人はこれでした↓
左写真の手に持ってるやつがオーバーホール前に装着していたスライドバルブ
装着している写真が今回持ち込みで交換したスライドバルブとスロットルバルブ
よーく見るとラージボディ用の刻印無し、しかも装着して間もないのに表面のコーティングももう剥げてきてる状況。近年ケイヒン純正ではなく海外製のコピー品が出回っている噂は聞いていましたがまさかと思い、オーバーホール前の部品に交換確認し始動すると、何事も無かった様に普通に戻り回転落ちの張り付きも治りました。 パッと見た目で判断し難いですが、恐らく偽物かと思われます。
新品で購入してまさかって感じでしたが、パーツ購入は正規ルートにての購入がよろしいと思われる思わぬ落とし穴作業でした。
その後キャブセッティングを済ませて無事作業完了しました。
オーナーさんもヤフオクでのシビアなパーツ購入はもうやめておくそうです(笑)
末長く大切に乗って欲しいですね!
V-Max各部塗装完了しました。デフギヤからのオイル漏れもあったので、分解してシール交換作業も追加
タイヤも新品で錆びたボルト類もリフレッシュされて綺麗になりました。各部分黒色に変わり引き締まりましたね(≧∇≦)
まだまだこの様な作業続きで入庫出来ないお客様ご迷惑お掛けいたしますがお待ちくださいませ。